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渋沢栄一に学ぶ:事業で大事な4つのポイント

現在 NHK の大河ドラマで渋沢栄一の「青天を衝け」が放送されています。 その影響で渋沢栄一に関する本がたくさん読まれています。 関連書籍は無数にありますが、筑摩書房が11年前に刊行した渋沢栄一『現代語訳 論語と算盤』が最近50刷で52万5300部となりました。創刊から27年が経つ「ちくま新書」のなかで歴代1位の発行部数を記録したそうです。

渋沢栄一といえば19世紀の人物ですが、意外と若い人にも読まれているようです。 例えばメジャーリーグのロサンゼルスエンゼルスで活躍している大谷翔平選手も『論語と算盤』を愛読書にあげています。 北海道日本ハムファイターズ時代の監督栗山英樹氏から勧められて読んだそうです。

私も手元にある渋沢栄一関係の本を見返してみました。アートマインドでサポートする自己実現に関するヒントになりそうなものが見つかったので共有したいと思います。

以下は『渋沢百訓』からの抜粋(抄訳)です。

“何か自分で事業を起こして成功させることはとても難しいことです。大きな決意と綿密な準備が必要です。これは内面に関する問題ですが、次に重要なのは客観的に見て自分が考えている事業が果たして実現可能かどうかを考えなければいけません。 この事をきちんと考えないで無謀に事業を企てるととても危険です。 『孟子』に書かれている「泰山を脇に抱えて北の海を越える」ような人間の力ではとてもできないようなことは事業では不可能です。

それでは実現可能な事業であれば何でも良いかと言うとそうではありません。例えば富士山のてっぺんに旅館を建てても十分営業していける見込みがあるでしょうか?疑問の余地なく必ず成立不可能だろうということは誰にでもわかることです。これは少し極端な例かもしれませんが実現可能な事業だとしても成立できない可能性があるのです。

このように事業の世界は複雑で面倒なものです。したがって事業をしようとするには漏れや欠点がないようにしなければいけません。次の4つの点について注意しましょう。

①その事業は果たして成立すべきかどうかを 調べる

②個人に利益を与えるとともに社会にも利益を与える事業であるかどうか確認する

③起業を行う時期が良いかどうかを判断する

④事業の経営に適当な人物がいるかどうかを考える

こうしたことを十分に備えていればその授業は見込みがあると言って間違いないでしょう。”

渋沢栄一は銀行を作ったことでも有名ですが、株式会社は共和制で株主は国民のようなものだとしています。「大統領や国務大臣が政治を行うように選ばれた重役は会社を経営するのです。その職についている間は会社は自分のものですが職を離れる時は草履捨てるようにきっぱりと職に未練を残さないことが大切です。辞めた後は他人のものと思わなければなりません。これを間違えると会社はうまく経営することはできません」と言っています。本田技研工業株式会社の創業者、本田宗一郎も「会社は世間のもの」と言って自分の子供に継がせることはしませんでした。 

よく会社経営に必要な条件として人、もの、金、そして情報という4つの要素が語られますが、渋沢栄一は事業を起こす目的と経営者が何より大事だと言っています。これは今でも、これからも通用する考え方ではないでしょうか。

(島田亮司)